鳴子温泉郷の泉質と効能(1) (PDF)
 鳴子温泉郷の旅館や共同浴場には、いろいろな泉質の天然温泉があります。
 湯めぐり手形で泉質と効能の違いをお確かめ下さい。
*灰色の文字の部分は、鳴子温泉郷には無い泉質です。

旧泉質名
(新泉質名)

温泉の効能

 1.単純泉
 (単純温泉)

 源泉の温度が25度以上で、温泉水1kg中に含有成分が1gに満たない温泉。無味無臭、無色透明が多い、石鹸も使える。また、湯がやわらかいのでさらりとして入り心地が良い。神経痛・リウマチ性の疾患を初め、骨折・外傷等に効果がある。飲用すれば胃粘膜に弱い刺激を与えるため、軽い胃炎によい。山梨の下部、長野の鹿教湯、山口の俵山など、名湯として有名なところが多い。

 2.単純炭酸泉
 (二酸化炭素泉)

 炭酸ガスが溶け込んでいる温泉。泉温が上がると、炭酸は気化してしまうので、冷鉱泉や低温泉に多くみられる。無色透明、わずかな酸味があり、石鹸の泡立ちはよい。炭酸ガスは皮膚から吸収されると毛細血管を拡張させる作用があり、血液の循環をよくし、血圧を下げるので高血圧や心臓病に効果がある。飲用は胃腸の働きを促進。福岡の船小屋が有名。
 3.重炭酸土類泉
 (炭酸水素塩泉)
 カルシウムやマグネシウムを含んでいる温泉。ほとんど無色透明で石鹸は使えない。カルシウムイオンやマグネシウムイオン等の土類イオンは、沈静作用があり、また、けいれんを暖和させたり、炎症を抑える働きがある。アレルギー性疾患、慢性皮膚病、じんま疹によく効く。飲用すれば利尿作用があるので、痛風、膀胱炎などによい。また、酸を中和させるため慢性胃腸病にも効く。静岡の湯ケ島、大分の長湯、鹿児島の新川などが重炭酸土類泉の名湯として有名。
 4.重曹泉
 (炭酸水素塩泉)
 重曹を主成分とする温泉で、アルカリ泉とも呼ばれる。いろいろな塩類を含み種類も多い。無色透明で石鹸の泡立ちもよい。入浴すると皮膚の表面を軟化させる作用があり、また、脂肪や分泌物をよく乳化して洗い流すため、皮膚病や火傷・創傷に効果がある。皮膚が滑らかになるので「美人の湯」ともいわれている。飲用すると胃酸を中和し、胃の中で炭酸ガスを発生させて胃の活動を促進させる作用があり、慢性胃炎、胃酸過多などに効く。和歌山の白浜湯崎・佐賀の嬉野などが代表的な重曹泉。
 5.食塩泉
 (塩化物泉)
 食塩を含む温泉。日本で最も多い泉質で、口にいれると塩辛い味がする。石鹸は使えない。泉水1kg中に食塩を1500r以上含むものを強食塩泉、500rに満たないものを弱食塩泉という。ほかに、重曹、芒硝、臭素、ヨウ素などを含むものもあり、種類は多い。入浴すると皮膚に塩分が付着して汗の蒸発を防ぐため保温効果があり、よく温まることから慢性関節リウマチ、腰痛、神経痛などに効く。弱食塩泉を飲用すると便秘、慢性胃カタルなどにもよい。塩の名の付く温泉に多く、栃木の塩原、山梨の塩之沢など。他に福井の芦原、兵庫の城崎などが代表的な食塩泉。
 6.芒硝泉
 7.石膏泉
 8.正苦味泉
 
(硫酸塩泉)
 ナトリウム、カルシウム、マグネシウムを含む温泉で、陽イオンの種類により芒硝泉、石膏泉、正苦味泉に分けられる。無色透明で、芒硝泉を除いて石鹸は使えない。
<芒硝泉>はナトリウムを含み高血圧症などによい。飲用すれば肥満症などにも効果がある。<石膏泉>はカルシウムを含み、鎮静効果があるのでリウマチ、火傷などに効き、飲用すれば、痛風などにもよい。
<正苦味泉>はマグネシウムを含み、脳卒中などに効果がある。芒硝泉は石川の山代、石膏泉は青森の浅虫、静岡の土肥、正苦味泉は石川の山中が代表的な温泉。
 9.明ばん泉
 (硫酸塩泉)
 アルミニウムの硫酸塩が主成分となる温泉。皮膚の粘膜を引き締める作用が強く、慢性の皮膚疾患によく効く。北海道の十勝岳、山形の蔵王、大分の明礬が代表的な明ばん泉。
 10.緑ばん泉
 11.炭酸鉄泉
 (鉄泉)
 鉄分を含む温泉で炭酸鉄泉と緑ばん泉に分かれる。炭酸鉄泉は湧出口では無色で空気に触れると酸化され、褐色の沈殿物ができる。土類、食塩、重曹を含むものが多い。緑ばん泉は強酸性で銅。コバルトを含んだものが多く、濁っている。鉄泉はよく温まり、造血作用を促し貧血症に効果有。青森の薬研、群馬の伊香保、兵庫の有馬などが知られている。
 12.硫黄泉
 13.硫化水素泉
 (硫黄泉)
 硫黄を含む温泉。ゆで卵が腐ったような独特の臭いで、湯は白く濁っている。療養効果が高い温泉で、慢性リウマチ、気管支炎などに効く。解毒作用もあるが効果が強いから飲用には十分注意したい。栃木の日光湯元、群馬の万座、長野の野沢、神奈川の芦之湯などが有名。
 14.酸性泉
 (酸性泉)
 水素イオンを含む温泉。一般に高温で無色か、わずかに黄褐色で酸味がある。殺菌力が強いのが特長で湯が肌にしみる感じがする。慢性皮膚病に効能がある。飲用すると貧血症によい。北海道の川湯、秋田の玉川、群馬の草津などが有名。
 15.放射能泉
(放射能泉)
 俗にラジウム泉と呼ばれ、ラドンが主体。鎮静作用があり、リウマチ、神経痛などに効く。吸入すると痛風にもよい。山梨の増富、鳥取の三朝などが代表的。

 

JTB出版事業局発行の「全国宿泊情報」より転載

鳴子温泉郷の泉質と効能(2)

一般的効能
全部の泉質に共通の効能です。

 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・うちみ・
 くじき・関節こわばり・慢性消化器病・痔疾・冷え性・
 病後回復・疲労回復・健康増進

 

 (泉質名)  (泉質別効能)
 単純温泉  特に無し
 炭酸 泉  切り傷・やけど ・高血圧症・動脈硬化症
 重曹泉  切り傷・やけど・慢性皮膚病
 食塩泉  切り傷・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病
 芒硝泉  切り傷・やけど・慢性皮膚病・動脈硬化症
 石膏泉  切り傷・やけど・慢性皮膚病・動脈硬化症
 明ばん泉  慢性皮膚病
 緑ばん泉  月経障害
 硫黄泉  切り傷・慢性皮膚病・糖尿病・慢性婦人病
 硫化水素泉  切り傷・慢性皮膚病・慢性婦人病・動脈硬化症・高血圧症・
 糖尿病
 酸性泉  慢性皮膚病

ご不明な点は、鳴子観光・旅館案内センターにお問合せください。0229-83-3441

制作/鳴子温泉郷観光協会 〒989-6823宮城県大崎市鳴子温泉字湯元2-1 TEL0229-82-2102

鳴子温泉郷 湯めぐり手形の説明 泉質と効能

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